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趣味の世界を中心に、私taipaが日々思うことを述べていきます。

ネリのドーピング騒ぎと帝拳の将来

ネリのドーピング検査陽性について、ようやく一応の結論が出た。B検体もクロで、ネリのドーピング違反は確定。これを受けてリングマガジンが山中をチャンピオンに復活させたものの、本家本元のWBCはお咎めなし。ネリは先週末、世界チャンピオンとして凱旋試合をこなし、一方の帝拳はネリvs山中再戦に向けて動きだしたようである。

ドーピング検査のあらましやB検体とは何かについては過去記事を見ていただくとして、やはりVADA(自発的アンチ・ドーピング機構)というのは業界ご用達機関であって、建前はいろいろ言っても結局商売=カネ儲けがその上に位置するということである。検査がクロで試合結果はそのままなどということは、WADA(世界アンチ・ドーピング機構)ではありえない。

私が想像するにこの結果はWBCとかスレイマンがやったことではなく、帝拳がゴリ押ししたものである。セニョールが、「ネリは直接山中と再戦させよ」と頑なに主張するものだから、本来あるべきノーコンテスト→王座決定戦の筋書きが使えず、グレーなままネリをチャンピオンにしておく必要があった。WBCとしては、ノーコンテストの方が楽だしスポーツ界に対して説明がつくのである。

繰り返すが、この結論は世界のアンチ・ドーピングの流れからみるとありえないことである。故意か過失かは罰則適用の際に考慮されるとしても、試合結果の無効と名誉・賞金の没収はドーピング罰則の大前提であり、それをしないのであればそもそも検査をしなければいいという話である。アンチ・ドーピングは公平性の確保と選手の健康管理が目的であって、それらは商売に優先するというのが、きれいごとではあるがスポーツ界の共通認識である。

帝拳のやっていることも、せんじ詰めればネリvs山中再戦により商売をしようということであって、山中の過去の実績とか、いかにダメージを残さず引退した後の生活を送らせるかということを考慮したものではない。もちろん、アンチ・ドーピングの理念とか世界的な趨勢なんて考慮の外である。

アンチ・ドーピングの理念からすると、ドーピングをするような選手とは付き合わないというのが当然であって、また日本に呼んで試合させファイトマネーを払うというのは論外である。一度こういうことをすると、日本のボクシングはドーピングに甘いという定評が立つし、ここ一番でドーピングしてでも勝とうという選手への抑止力が全く働かない。

「天網恢恢疎にして漏らさず」という。こういうことをやっていては、絶対に長続きしない。いまや業界を牛耳っている帝拳であるが、登ったものは必ず沈む。セニョールのやっていることは沈むものをもっと早く沈めようというもので、いうなれば自分で自分を引っ張っている、重しを付けて泳ごうとしているのである。
 
試合後には、「あのストップは何だ。最悪のタイミングだ」とのたまわったというし、セニョールの老害も許容範囲を超えてしまったようである。1947年生まれというから私より10年歳上だから、普通ならそれほど老け込む歳ではないのだが、長年「会長、会長」とおだて上げられて脳の柔軟さが失われてしまったのだろう。お気の毒なことではある。

帝拳というと今の世代は昔からずっと大手の名門ジムのように思うかもしれないが、それは日本テレビと組んだからそういう印象になるので、「野球は巨人、司会は巨泉」と変わらないイメージ操作である。われわれの世代にとって大場政夫が帝拳所属の永遠のヒーローだが、大場はセニョールがジム経営に関わる前のボクサーである。

大場が自動車事故で急逝した後、浜田剛史(WOWOW解説の浜田さんである)が世界チャンピオンになるまで13年、浜田さんが陥落してから西岡がチャンピオンになるまで20年、帝拳には世界チャンピオンがいなかった。だからリナレスとか死んだエドウィン・バレロを日本に連れてきたのだが、プロモーターとしてはともかくジム経営者としてそれでいいのかという印象があった。

そういう過去の歴史を見てきた目からすると、セニョールの老害ぶりは目を覆うばかりである。そもそも、ボクサーの引退云々は本人が自分の体力やモチベーション、引退後の生活設計等々いろいろ考えて決断するものであって、ジムのオーナーが口出しすべきことではない。プロモーターとして誰と戦わせるかマッチメークする権限はあるが、それだってファンの要望・期待が裏付けである。

ジムの経営者の本旨として、本人が故障なくボクサー生活を送ること、引退後も支障なく生活することが最優先であって、カネや名誉は二の次三の次である。名前はあげないが昔も今もボクサー時代の後遺症に苦しんでいる者は多いし、そういうことを少なくしようと前日計量になりストップも早くなったのである。

そうしたボクシング界の趨勢をみて、翻ってセニョールの最近の言動をみると、帝拳の栄華もそう長いことではないように思う。村田がヌダム・ヌジカムに勝ったが本人も分かっているとおり本当のチャンピオンとはいえないし、GGGやカネロと戦うことなどできないだろう。チャーロ兄にだって粉砕されそうだし、エリスランディ・ララとやれば完封される可能性が高い。

それ以上に深刻なのは山中に続く世代が出てこないことで、五十嵐だって山中とそんなに歳は変わらないし、また西岡とか三浦のように他のジムから連れてくるつもりだろうか。まさかTBSの井岡という訳にもいかないだろうし、大橋ジムとかワタナベジムの方が人材が揃っている。

いまや井上尚弥が、ファイティング原田、柴田国明以来の階級最強ボクサーとして世界的に脚光を浴びつつあり、もしかするとパッキャオとはいかないまでもドネアくらいにはなるかもしれない。こういう大切な時期に、親からジムを引き継いだ苦労知らずが、商売がうまいからといってオールマイティのような顔をして威張っていると、ろくなことにはならないと思うのである。

そして、これからボクシングの世界に入ろうという新鋭が、選手個人の意見やトレーナーの意見をないがしろにするジムに果たして入りたいと思うのかどうか。そうでなくても、MMAやキックボクシングの方に関心を持つ若者はたいへん多い。護身術・格闘技としての面白さからいっても、それらの競技の方が魅力的だからだ。

まあ、私自身も残り少ない人生であり、帝拳の凋落はともかくボクシングの凋落までは見ずにすませたいものである。

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プロフィール

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taipa
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60
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性別:
男性
誕生日:
1957/04/08
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リタイアしました
趣味:
たくさん
自己紹介:
ハンドルは、足しげく通ったマカオの島から付けました。
当時から使っているので、昔の知り合いの方が分かるように引き続き使用しています。

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