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趣味の世界を中心に、私taipaが日々思うことを述べていきます。

亀田vs拳論 片岡氏、出廷(後編)

前回まで、片岡氏の本人尋問について当日の様子をお届けしたところであるが、今回は亀田vs拳論裁判の今後について私見を述べてみたい(なお、私は訴状も見ていないし、口頭弁論も今回しか傍聴していないので、お含みおきください)。

本件訴訟の本質は、不法行為(名誉棄損)に基づく損害賠償請求である。亀田側は「拳論」の記事を不法行為として訴え、拳論側は不法行為でないとして争っている。したがって裁判に勝ち負けをつけるとすれば(本来、民事訴訟は勝ち負けではないが)、拳論に書いた片岡氏の記事が不法行為(名誉棄損)であると裁判所が認めるかどうか、である。

ボクサーの素行にとどまらず、書評にしても、飲食店の良し悪しにしても、温泉の評判にしても、すべての人には自分の体験したこと、知りえた事実、あるいは意見を表明する自由がある。それは内容によって相手方の評判を落とすことになるが、それが不法行為にあたるかどうかは表現の自由及び知る権利と比較考量される。

その比較考量において考慮すべき点として、公共性・公益性・真実性の三点がある。それらが担保されれば刑法上の名誉棄損罪とはならないと刑法には書かれているし、民法上の不法行為も同様であるというのが判例・学説の考え方である。
 
つまり、プライバシー等個人に係ることでなく公共の利害に関する事項であって(公共性)、しかも公共の利益の増大を目的としたものであること(公益性)、そして内容が本当のこと、ないし本当のことであると考えるだけの理由があること(真実性)が証明できれば不法行為とはならず、損害賠償の対象とはならないということである。

本件訴訟については、片岡氏の記事は亀田家のプライバシーに関することではなく「世界タイトルマッチの運営に関すること」である。また、その目的は「運営が公正でなければ、入場料を払っている観客やTVで観戦しているファンの不利益になる」からであるので、公共性・公益性については議論になっていない。したがって争点は、真実性のみということになっているようである。
 
さて、本訴訟において、原告である亀田側の当初の主張は「JBCとの間にトラブルなど存在せず、したがって拳論に書かれたことは全くのデマである。つまり不法行為である」というものであった。ところが、JBC職員であるA氏が亀田側を訴えたことにより、「事実無根のデマ」という主張は通らなくなってしまった。

だから現状の争点は訴訟提起時とは異なり、「トラブルはあったけれど深刻なものではなかった」対「深刻なトラブルがあった」ということである。言ってみれば当初が「0対1」で現状は「0.5対1」なのである。

真実性による免責は、それが絶対に事実でなければならないということまでは求められておらず、客観的な資料・根拠に基づいて事実と考えられる場合には不法行為とはならないとされている(真実相当性)。だから、0が0.5になった時点で、すでに原告である亀田側は不法行為の立証をあきらめたということになりそうである。
 
ここで重要なのは、JBC職員A氏vs亀田の損害賠償請求訴訟である。この訴訟は、A氏が亀田興毅・和毅他2名から監禁等を受けたことに対し損害賠償請求したもので、亀田側が名誉棄損として反訴したものであるが、亀田側が二つの訴訟を併合して一つにすべきと主張したことについて、裁判所が併合しないとすでに判断している。

思うに、JBC職員vs亀田の裁判でどういう結論が出るとしても、何もなかった、「デマ」だという亀田側の主張が成り立たない以上、亀田vs拳論について裁判所の判断は変わらないということである。つまり、原告亀田兄弟の請求は棄却される公算が大きい。

今回の片岡氏尋問の様子を見ていても、原告代理人の質問には将棋で言うところの「形作り」のような印象を強く受けた。おそらく行列のできる弁護士の主張としては、トラブルを針小棒大に公表したことで原告の名誉を棄損したといいたいのだろうが、それは当初の主張からすると大きく後退したものであり、それでは不法行為とは認められないだろう。

次回期日は10月21日。おそらく最終書面が提出され結審となるだろうから、判決は年末ないし来年早々になるものと思われる。
 
そもそも今回の訴訟は、亀田兄弟が自分達の名誉に1000万円の値段を付けた時点で、彼らの負けであったと思う。正直なところ私は、スラップ訴訟自体を必ずしも否定するものではないが(少なくとも合法的な手段である)、それにしても、自分に1000万円の値札を付けてしまうというスタンスは、私にはちょっと理解できない。

本件訴訟、JBC職員vs亀田の訴訟、世界タイトルマッチにおける詐称等々の問題により、亀田ジムが国内活動停止の処分を受けてすでに1年半が経過した。「去る者は日々に疎し」、彼らがいなくてもTV局は全く困らない。かつてキラーコンテンツであったK-1やPRIDEが突然なくなっても、誰も困らなかったのと同じことである。

亀田兄弟はアル・ヘイモン傘下に入って現役を続けているが、TBSと組んでいた時ほどの好条件ではないはずだし、試合がつまらなければすぐにリリースされる世界である。日本にいてさえつまらないと酷評された彼らのボクシングが、本場アメリカ、メキシコでどこまで受け入れられるだろうか。

長男・三男は秋にはタイトルマッチに登場する見込みであるが、自分達の興行ではないのでこれまでのような「うまい商売」はできない。あとは自力でいい試合を見せてファイトマネーを上げていくしかないのだが、それだけの実力とモチベーションが彼らに残されているかどうかである。

p.s. 亀田vs拳論+JBC、過去記事のバックナンバーはこちら

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